ピンクリボン運動
毎年10月は、【ピンクリボン運動推奨月間】です。
「ピンクリボン運動」は、成人女性にはすでにおなじみの名称だと思います。
乳がんの正しい知識を広め、乳がん検診の早期受診を推進することを目的にした啓発キャンペーン、それが「ピンクリボン運動」です。そして、よく目にするピンクのリボンはキャンペーン推奨のシンボルなんですね。
ピンクリボン運動の始まり
ピンクリボン運動は、乳がん患者が増えつつあった1980年代のアメリカで始まりました。
乳がんで亡くなった女性の家族が、同じ悲劇が繰り返されないようにとの願いを込めてピンクのリボンを作ったのがきっかけだったそうです。
ピンクリボン運動は、その後世界各国に広まり、2000年頃から日本でも普及し始めて今に至っています。
女性がかかる癌のトップは「乳がん」
乳がんは、乳房の中でも「小葉組織」と呼ばれる母乳をつくる部分と、「乳管組織」と呼ばれる母乳を乳首まで運ぶ管に多発する悪性腫瘍です。
罹患者は20歳過ぎから認められ、30歳代でその数は徐々に増加し、40歳代から50歳代での人数がピークとなります。
日本人女性の乳がんにかかる確率は、今や12人に1人だと言われ、年間7万3千人もの方が乳がんになっているそうです。
そのうち亡くなる方は、年間1万人近くもいらっしゃいます。女性のあなたにとって、乳がんはけっして他人事ではない、もっとも身近な病気だと言えるのです。
乳がんの発見の仕方
「乳がん」と診断された方の73.8%が、受診する以前に自分なりの違和感や異変を発見していたといわれています。実に、全罹患者の4分の3にもあたる人数です。
このデータからわかるのは、日ごろから自分で自分のおっぱいを観察しておくことがいかに大切かということ。
お風呂に入るときにおっぱいを触ったり、鏡の前で腕を上げておっぱいの様子を観察したりするだけでも、がんが見つかることは少なくありません。
毎日となると面倒な気もしますが、歯磨きや洗顔のように習慣にしてしまえば忘れずに続けられますよね。
簡単な習慣から、恐ろしい乳がんが発見できるのであれば、今日からでもすぐにやるべきです。
初期で見つけることの大切さ
がんにはステージというのがあるのは、きっとご存知だと思います。
ステージは、大きく分けてⅠからⅣまでの4段階で、Ⅰは初期がんにあたります。
乳がんにおけるステージⅠの定義は、腫瘍の大きさが2cm以下と言われています。この段階で発見された場合は、10年後の生存率が約90%なのだそうです。
さらに、10年生存できれば、その後も生存できる確率がかなり高まると言われているので、何よりも早期発見することが肝心なのです。
もう一度、繰り返します。
日ごろから、自分でおっぱいを触ったり観察したりすることを習慣にしましょう。そして、少しでも違和感を感じたらすぐに受診しましょう。
仕事や家事、家族の事情などで忙しくて、自分のことは後回しにしているうちに、受診が遅れて、すでにがんが進行していたというケースもあります。
「もしかしたら」と、かすかにでも感じたら、どんなに忙しくても最優先で受診しましょう。もし、何もなかったら、それでラッキーだし安心できるじゃないですか!?
もし乳がんになったらお金はいくらかかるか
万が一、乳がんと診断された場合の費用例を上げてみます。
- 手術 がん病変のある全乳房切除=¥1,048,370
- 乳房温存手術+放射線療法=¥1,514,810
- 手術+再発防止薬物療法(抗がん剤、分子標的治療薬、ホルモン剤)=¥5,965,930
- 乳房温存手術+放射線療法+再発予防薬物療法=¥6,391,690
(参照:がん治療費.com)
驚くほど高額な費用がかかるものなのですね。
もちろん、「高額療養費制度」も利用できると思います。でも、一般的に考えられる高額の範囲を超えた治療しか、選択肢がないケースもあります。
私の知り合いも、抗がん剤や放射線治療がきかない種類のがんを患い、新薬で治すために2千万円以上かかったそうです。
昨今は、先進医療特約の付帯した保険などを利用する向きもありますし、それも賢い備えには違いありません。
でも、何よりも安全かつ安心の保険は、早めの発見とそのための検査(日々の自己チェックと医療機関における乳がん検診)なのです。
乳がんにならない保証は誰にもない
私が乳がんを身近に感じ始めたのは、職場の同僚が「乳がんで亡くなったママ友のお墓参りに行く」というのを聞いた時からでした。
まだ幼い子供を残して亡くなった方のことを思うと、同じ母親として無関心ではいられないと思ったのです。
私自身、ここ数年は妊娠と出産のためばたばたとせわしなくて、乳がん検診を受けていません。でも、近いうちに絶対に受診するつもりです。
有名人の乳がんが周知された影響なのか、最近は乳がん検診を受ける人が増えたそうです。それは、本当にいいことだと思います。
ただ、その分、予約が取りづらくもなっているようです。希望の日にちが取れなくて、なし崩しに受けずじまいにならないように、私も早めに余裕をもって予約をしておこうと思います。
自分だけが乳がんにならないという保証、そんなものはありません。
せめてピンクリボン運動の10月は、乳がんの知識を深めて、しっかりと乳がんに向き合ってみませんか。そして、しっかりと予防に努め、できる限り定期検診を受けるようにしましょう。