高知の「沢田マンション」は究極のハンドメイド作品【不動産投資2】

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賃貸経営に興味をもったきっかけ

以前、「賃貸経営に興味があること」や「ときどき投資用物件を見学していること」を記事にしました。

その記事を書きながら、「私が賃貸経営に興味を持った、いちばんはじめのきっかけって何だったっけ?」と思い返してみたのです。

もちろん、不動産会社勤務だったことが影響していたのは確かなのですが、「賃貸経営っていいかも!?」と最初に感じたのは、もっとずっと前の20代前半の頃でした。

ひとり暮らしの部屋でひらめいたこと

独身時代の私は、アパートを借りてひとり暮らしをしていました。

ある休日のこと。

ベッドに寝転んでボーっと天井を見上げていた私は、「このアパートの大家さんって、今の私のように寝転がっていても、店子の家賃が勝手に入ってくるんだな~。羨ましいな~。めちゃくちゃ美味しい仕事だなぁ~。」と急にひらめいたのです。

当時の私は、お給料がとても安い割にはとても忙しく、疲れが溜まり、せっかくの休日も遊びに行く気力もなく寝転がっていたんです。

それに比べて、居ながらにして家賃が流れ込んでくる大家さんのことが、羨ましくて仕方なかったのでしょうね。

だから、勝手に大家さんの収益シミュレーションまでした覚えがあります。(笑)

私が住んでいたアパートは1棟8戸のアパートでした。1室あたりの家賃は5万円。満室状態の場合、家賃収入の合計額は40万円。

たとえ、ひと部屋ふた部屋の空室があっても、ザッと30万~35万の収入が毎月確実に得られるのです。

何もしなくても私の給料より遥かに高額の収入があるなんて、なんだか一生懸命に働いているのがばからしくなってしまいました。

もちろん、大家さんが全く何もしていないわけではなく、建物のメンテナンスや店子の管理など、大家さんならではの仕事があること。お金が入ってくるばかりではなく、賃貸物件を購入したときのローンや各種税金の支払い、経年ごとの修繕や空き部屋が出たときの募集広告などで出て行くお金もあることは、当時の私でも理解していました。

でも、支出を差し引いてもなお、相当の収入だろうなと想像していたのです。

飛行機の中での出会い

自分のアパートの大家さんの収支を脳内シミュレーションした休日からしばらくして、私は友達と北海道旅行に出かけました。

その時、飛行機の中で何気なく手にした機内誌を見て、高知県でマンション経営をしている沢田夫婦のことを知ったのです。

「人として生まれた以上、どれだけのことができるか試してみたい」という沢田嘉農さんの基本理念から、マンションの手作りが始まりました。

設計・製材・基礎工事・大工仕事・配管などあらゆることを夫婦2人で手がけたマンションは、その見た目から「軍艦島」とも「日本の九龍城」とも呼ばれているそうです。

今では、地元の観光名所として知られていると、機内誌にはそんなことが書かれていました。

通称「沢マン」

高地県高知市にある沢田夫婦のマンションは、通称「沢マン」と呼ばれているそうです。

建築が専門職ではないにも関わらず、夫婦二人で長い年月をかけて手作りしたマンション。途中からはお子さんも参加して、年々進化を遂げているのだとか。

沢田マンション物語

私は、旅行から帰ってくると、真っ先に沢田夫婦のことを調べ始めました。

そして「沢田マンション物語」という1冊の本と出会います。

「沢田マンション物語」には、単なる賃貸経営の話だけではなく、「沢田マンション」にかかわる人々の愛のエピソードがいっぱい詰まっていました。

沢田マンションをつくった故・沢田嘉農さんのおいたちから始まり、奥さんとの出会い、沢田マンションをつくる過程と、のめり込むようにして一気に読み切った覚えがあります。

読んでいていちばんびっくりしたのは、キャンピングカーを手作りしたというエピソード。

なんと!バスの中に畳を敷いて、カラオケしながら旅行をしたんですって!

マンション建築以前に、すでに人並み外れた独創性と行動力の片鱗が見えます。

沢田マンションの現状

現在の沢田マンションがどんな状況なのか、改めて調べてみました。

形状は地上5階建て(1部6階建て)で、入居者は約100人。

建築当初は母子家庭など社会的弱者の入居が優先されたそうですが、現在では若者の入居が多いそうです。

いまだに必要に応じて増築を繰り返している沢田マンションの外観は、確かに奇妙奇天烈なものです。

でも、そこには「入居者の利便性」を最優先したい、という沢田夫妻の想いが詰まっている気がします。

まさに「沢田マンション」は、沢田夫婦の愛の結晶なのですね。

まとめ

「沢田マンション物語」を読んで、「こんな大家さんが全国各地にいれば、日本中がもっと幸せになるかも知れない」と感じました。

賃貸経営をただの「金儲け」ではなく、人生の目的や自分の使命とする生き方にあこがれて、私は賃貸経営を夢見るようになったのかも知れません。

そんな沢田夫婦の理念がつまった「沢田マンション」いつか訪れたい場所の1つです。

参考図書

沢田マンション物語 作:古庄弘枝 講談社+α文庫

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