不動産投資への興味が再燃
不動産屋に長く勤めていた私。
毎日のように不動産物件を扱っていたせいか、「不動産投資」に対する興味が自然に湧いてきて、一時期は熱心に研究したものです。
その後、出産から子育てに突入して多忙な日々が始まったせいか、不動産投資とか賃貸経営について全く考えなくなっていました。
ところが最近、また「不動産投資」への興味が再燃して来たんです。
※この記事を読んでいる皆さんに1点だけお願いがあります。私は不動産投資には興味はありますが、実際に不動産投資をしているわけではありません。ですから、私の書く記事はあくまでも「興味のある人が書いた記事」という感じで読んでもらえたらと思います。ただ、不動産屋に勤めていたので一般の人よりは、多少の知識はあると思います。ゴルフで言えば、キャディーさんのような感じでしょうか。よろしくお願い致します。
お買得物件を発見
そんなわけで、先日もネットで不動産情報を物色していたのですが、その中に見覚えのある物件を発見!
それは、確か5年ほど前には、600万円台だった物件でした。
現在の価格は320万円。
「うそ!何?これ!安い!」と驚いた私は、さっそく不動産屋にアポを入れて見学に行ってきました。
見学する前の感想
紙面で見る限り、立地条件は最高!
ファミリーレストランやコンビニ、銀行などが全て徒歩圏内で、生活するにはとても便利そうです。さらに将来は、すぐ近くに新駅ができるという噂も聞こえています。
売りに出ていた部屋は区分所有タイプのメゾネットタイプで、東南の角部屋という好条件。1階に広めのLDK、2階に和室と洋室があり、間取り的にも文句なしでした。
交渉次第では、320万円の売価を300万円ぐらいまで値下げしてもらうことも期待できそうです。
その後、月額4万円くらいで賃貸に出せるのではないかというのが私の読みでした。
ただし、ここまでは見学する前の感想です。
見学したあとの感想
実際に見学してみると、「思っていたよりも物件の痛みが激しいなぁ~、これはリフォームにお金がかかりそう」という印象でした。
私の予想では、賃貸料は月々4万円くらいと踏んでいたのですが、実際のところは3万8千円で賃貸の募集が出ているのだとか。
リフォーム代は、ザッと見積もって50万円くらいはかかりそうです。
あと、駐車場スペースは上手に停めれば何とか1台いけるかなというほどかなり狭め。軽自動車ならまだしも、普通車を所有している場合は厳しいでしょう。
それにここは車王国の群馬。ファミリー物件の場合は、2台分の駐車スペースは必須条件と言えます。そうなると、この駐車スペースの狭さは、かなりネックになるんじゃないかと思います。
以上を総合的に見て、250万円で買い付けを入れて280万円で買えれば良いかな、といったところ。
悪くはないけれど決め手にかけるな、というのが最終的な感想でした。
投資物件として採算は合うのか
ここでシミュレーションです。
280万円で購入したとして、まずは5年のスパンで考えてみましょう。
月々4万円で賃貸に出したとすると、5年間の家賃収益の合計は240万円になります。
ただし、その5年間には、リフォームに要する期間や借り手がつくまでの空き期間も想定しないといけません。
仮に、その期間を1年と考えると、残り4年間の賃料合計は192万円です。
その後250万円で売却したと仮定すると、利益は442万円。
そこから購入価格の280万円を差し引くと、162万円の利益という計算が成り立ちます。利回りでいうと約17%ですね。
実際には不動産取得税や仲介手数料、固定資産税などの経費もかかってきますが、それでもマイナスになるリスクはなさそうです。
不動産投資の入門用としては、ちょうどいい物件だと思いました。
まさかのダブルブッキングと買い付け
私が見学しているときに、1人の男性がやってきました。
「すみません予約した者ですけど…」と言うところを見ると、どうやらダブルブッキングのようです。
その男性は物件をものすごいスピードで、端から端までチェックしていました。
「これは買い付けを入れる気満々だな」と思っていたら、案の定でした。
注:買い付けというのは、購入を希望する人が購入の意志を売主や仲介人に表明することです。通常は売主側が用意する「買付証明書」という書面に購入希望者が必要事項を記入して差し出した時点で、「買い付けが入った」と表現します。
めぼしい物件は瞬殺
もとより購入するつもりはなかった私ですが、目の前でアッサリと買い付けを入れられると何だか悔しくてたまりませんでした。
思わず「不動産投資の先生」であるY氏に電話!
「買う気はなかったのですが、すごく、すごく悔しいです」と告げると、Y氏は「そうだよな、買う気がなくても買い付け入れられると悔しいんだよ」と同調してくれたので、ちょっと気が晴れました。
Y氏曰く、不動産投資用の目ぼしい物件は、瞬殺で売れてしまうそうです。
Y氏も「これぞ!」と目をつけた物件は、不動産屋の開店前にFAXで買い付けを入れてから物件を見学するそうです。
本気で不動産投資をやっている人は、ここまでしないといけないのですね。まさにスピードが勝負!
今回の私のケースは、ネット公開されてから3日目に、私と前述の男性が見学。私の目の前で買い付けが入って、その後そのまま成約になったそうなので、わずか3日で売れてしまったわけです。
特に今回は、私とのダブルブッキングの影響もあって、先方の決定が早かったのかも知れませんね。
そう考えると、私が不動産投資の勉強のために見学している行為は、売主さんや不動産屋さんにとってプラスになっているってことかも(笑)
ちなみに先ほど書いた物件の売価ですが、250万円(購入者の希望価格)で買い付けが入って、最終的に270万円で成約になったそうです。
投資物件を購入する時のポイント
不動産投資物件を購入する際のポイントは、実にたくさんあります。あまりに多すぎて書ききれないので、ここでは最も肝心なポイントをひとつだけご紹介します。
それは「ババをひかない」ということ。
どういう意味かというと、不動産投資用の物件は年々古くなって、建物も傷んできますよね。だから最終的には売れなくなるのです。
何人もの間で買ったり売ったりを繰り返して、いちばん最後に売れ残ってしまう物件。
それをトランプのババに例えるとは、本当に上手いなと思います。
まとめ
不動産物件を購入するのは大変な勇気がいることです。万が一、ババを引いてしまえば大変なリスクを伴います。
でも、銀行にお金を預けたところで大した利息もつかない時代です。それにサラリーマンとして定年まで働いても、昇給もないし、退職金も予定通りもらえるかどうかわかりません。
その上、年金なんて受給年齢がどんどん引き上げられているので、いったい何歳になったらもらえるの?といった状態。
そんな現状を憂いてか、私が不動産業界に居た頃よりも、サラリーマン大家を目指す人が確実に増加しています。
自分の度胸と裁量でお金を大きく増やすことができる不動産投資は、ある意味誰にでも与えられたチャンスかもしれません。
とは言え、自己責任の世界ですから、不動産投資を始めるならリスクを受け止める覚悟は絶対不可欠です。
もちろん、営業マンの口車にのせられて、銀行でフルローンを組んで億の物件を新築で建てるなんていうのは論外!初心者がいきなり新築物件に手を出すのは無謀というもの。
はじめのうちは、今回ご紹介したような手頃な物件から始めて、じゅうぶんに慣れてきてから新築にチャレンジするのがリスクを抑えた投資です。
専業主婦の方は「不動産投資なんて夢のまた夢だわ」と思われる方も多いでしょう。
以前は私もそう思っていました。
でも、そんな考えを根底からひっくり返された出来事があって、心境が変化したのです。その出来事についてもこれから書いていきたいと思います。